農法について
【循環農法】
一言で有機農法と言っても、野菜を育てる環境も違えば土作りや使う肥料など千差万別です。
当園では土作りには枯れ草のみ使用し(動物性堆肥は使用しておりません。)肥料の質と少量施肥にこだわり、あくまでも植物と微生物との共存関係によって作物を育てるよう心がけています。
そうして出来る野菜はエグミや苦味が少なく甘味・旨味が増します。そして腐らずに発酵していきます。
また当園では一般に流通することのない、自分たちが食べて本当に美味しいと思う品種を厳選し育てています。次世代に種を繋いでいけるよう、出来る範囲で種取りも行っております。
無農薬有機農業を
選択するということ
雑誌「土と健康」
2020/10・11月号のインタビュー記事より
木下剛太 木下友枝 / アッサーナ農園
農業をしようと言い出したのは夫でした。私も、自然に寄り添った生活がしたいという漠然とした思いがあったので、今思えば、農家の道を選ぶのは当然の成り行きだったように思います。それまでの夫の仕事は工場でのライン作業、私は主に事務職の仕事に就いていました。
農法に関しては、ふたりとも自らの健康に気を使うタイプであったのと、次世代のために自然環境を残したいという強い思いもあり、迷うことなく有機農業の道を選びました。2018年のことです。
野菜はすべて露地栽培で、多品目の野菜を育てています。
農家になって痛感したのは、品目が多いほど作業が複雑で手間と時間がかかるということ。出荷の最盛期を迎える日の一例ですが、朝の収穫と出荷作業を終え、その後また畑に戻って胡瓜の棚を作って、茄子の整枝や人参の間引き作業をして、夕方になればまた収穫と出荷作業が始まる。出荷作業を終えるのが日付をまたぐ日もあります。
特にこだわっているのは施肥の量です。肥料のきいた野菜は大きく育ち、収量も伴いますが、その分栄養価が低く、亜硝酸態窒素の影響でエグ味などの雑味が発生します。
子ども達に苦手な野菜があるのは、彼らの味覚が繊細なために、その雑味を敏感にキャッチしているからだと思います。
有機朝市の常連のお母さん達からも 「うちの子、アッサーナ農園の野菜は食べてくれたよ!」と何よりも励みになるありがたい報告をいただくことも。
でも実は、その美味しさの秘訣は施肥の量だけではなく、作手高原の気候や大地の力も大いに貢献しています。
夏でも朝晩は涼しく寒暖差があり、野菜に甘味を与えてくれます。そして、澄んだ空気と山から湧き出る豊富な清水が、野菜たちを元気に育ててくれるのです。
人の力は半分以下かもしれません。自然への感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。アッサーナ農園の語源となったアーサナは、サンスクリット語で「調和」という意味があります。
自然と人、今と未来に調和がとれた農業をこれからも心がけていきます。
アッサーナ農園
愛知県新城市作手